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防火地域で戸建て購入を検討中の方必見!コストや確認方法も紹介

おうち探し

土佐 直子

筆者 土佐 直子

不動産キャリア7年

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「防火地域」という言葉を耳にしたことはありますか。

家を探していると、物件ごとにたくさんの条件が出てきますが、防火地域に関する知識はとても大切です。

もしも暮らす家が防火地域に指定されていた場合、購入や建築にはどのような影響があるのでしょうか。

この記事では、防火地域の基本や戸建て購入時の注意点、確認方法や費用面まで、初めて住まい探しをする方にも分かりやすく解説していきます。

家探しの不安を減らすためにも、ぜひお読みください。

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防火地域とは何か、戸建て購入で知っておくべき基本

防火地域とは、都市計画上、火災が発生した際の延焼防止や緊急車両の通行確保のため、市街地や幹線道路沿いといった火災リスクの高い地域に指定される区域です。

その区域内では、延焼被害の拡大を防ぎ、安全な都市環境を維持するため、建築物に対して厳しい構造基準が求められます。

防火地域で戸建てを建築する場合は、次のような建築構造の制限があります。


• 地階を含めた階数が3階以上、または延べ床面積が100平方メートルを超える建物は、耐火建築物であることが必須です。
• それ以外の建物についても、耐火建築物あるいは準耐火建築物のいずれかにする必要があります。


ただし、延べ面積50平方メートル以下の平屋の付属建築物で、外壁・軒裏を防火構造、屋根を不燃材、開口部に防火設備を設ける場合には、準耐火建築物でなくても許容される例外もあります。


同様の防火目的で定められている「準防火地域」と「法第22条区域(屋根不燃区域)」との違いも押さえておきましょう。

準防火地域は、防火地域より制限がやや緩和されており、例えば以下のような構造区分となります


• 地上4階以上、または延べ床面積1500平方メートル超は耐火建築物
• 地上3階、かつ延べ床面積が500〜1500平方メートルの場合は、耐火建築物または準耐火建築物
• 2階建て以下で延べ床面積が500平方メートル以下の場合は、一定の防火措置を講じた木造建築も可能です。


法第22条区域(通称・屋根不燃区域)は、防火地域・準防火地域以外の市街地に、特定行政庁が指定する区域です。

ここでは屋根を不燃材料で葺き、外壁の延焼のおそれのある部分には防火性能を求める構造にすることが義務付けられます。

以下の表で、3つの区域における建築構造の違いを簡潔にまとめます。

区域 主な制限内容 戸建て可能な構造
防火地域 3階以上または延床100㎡超は耐火建築物、それ以外も耐火または準耐火 耐火建築物、準耐火建築物
準防火地域 4階以上または延床1,500㎡超は耐火、3階・500〜1,500㎡は耐火または準耐火 耐火建築物、準耐火建築物、一部木造可
法22条区域 屋根を不燃材、外壁の延焼部分に防火構造を要求 不燃屋根・防火壁の木造建築等

以上の内容を理解することで、防火地域かどうかによる戸建て購入時の基本知識として役立ちます。

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防火地域内で戸建てを購入・建築するときのコスト影響

防火地域や準防火地域で戸建て住宅を建てる場合、一般的な地域に比べて建築費が上昇する傾向にあります。

たとえば、防火仕様の外壁材は通常より約15~30%ほど高くなり、開口部の防火窓や防火ドアの導入では、その費用は通常の窓やドアの1.3~2倍程度になることもあります。

それに加えて、設計や施工においても防火措置を確実にするための手間や図面作成などが必要になるため、全体としてコスト増となる可能性があります。

延床面積100平方メートル程度の木造住宅では、外壁材・開口部・屋根材・その他防火対策の総合で百数十万円単位の増額が見込まれ、全体として約10~15%の追加コストになると考えられます。

項目通常地域防火地域
外壁材150万円程度180万円(+30万円)
開口部(窓・ドア)120万円程度180万円(+60万円)
屋根材100万円程度120万円(+20万円)
その他防火対策なし50万円程度(+50万円)

一方、防火性能を備えた住宅は火災保険料の割引対象となることがあります。

保険では建物の構造区分が重要で、燃えにくい構造(T構造=耐火・準耐火構造)に該当すれば、一般的な非耐火構造(H構造)に比べて保険料が割安になります。

防火地域・準防火地域で建てる住宅の多くはT構造に該当するため、結果的に火災保険料が安くなる傾向があります。

ただし、地域指定そのものではなく、あくまで建物の耐火性能に基づく評価である点に留意が必要です。

たとえば準防火地域における準耐火建築では、保険料の割引率が10~30%程度となる場合があります。

防火地域において耐火建築物を採用すれば、さらに高い割引率(約30~50%)が見込まれることもあるため、初期費用の上昇と長期的な保険料軽減のバランスを慎重に判断することが大切です。

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防火地域かどうかを確認する方法とは

戸建て購入を検討する際、まず「防火地域かどうか」を調べることは重要です。

自治体によって提供されている情報確認手段を活用することで、計画段階から建築制限や費用を見越した検討が可能になります。

まず、各市区町村のホームページに掲載されている「都市計画情報」や「地図情報システム(GIS)」を活用する方法があります。

八戸市では「八戸市公開地理情報システム」により地図上で防火・準防火地域を閲覧可能です。

また、自治体の窓口(都市計画課・建築指導課・まちづくり推進課など)で直接確認する方法もあります。

詳細な区域や境界、建築制限を担当者に的確に聞けるため、より正確な情報が得られます。

以下の表に、代表的な確認手段と特徴をまとめました。

確認手段 概要 メリット
自治体ウェブ上の地図・GIS 「都市計画情報」やGISで地図から防火地域を確認 いつでもアクセスでき、自宅で確認可能
役所窓口での確認 都市計画課などで直接担当者に確認できる より正確で細かい情報が得られる
県や自治体の統合型GIS(例:岐阜県「県域統合型GISぎふ」) 広域の情報を検索可能な地図サービス 県内の複数市町村を一括で確認可能

これらの方法を使えば、希望する土地や物件が防火地域に含まれているかを、購入段階で事前に把握できます。

防火地域に該当すると、建築可能な構造や仕様、工期・費用に大きな影響があるため、早い段階で確認することで後悔のない計画が立てられます。

戸建て購入者が押さえておくべき注意点と確認ポイント

防火地域で戸建てを購入・建築する際には、いくつかの重要な注意点があります。

まず、建築可能な構造に制限があるため、間取りやデザインに影響が出ることを理解しましょう。

例えば、防火地域では木造住宅でも耐火建築物または準耐火建築物として設計する必要があり、建材や開口部の仕様が限られることが多いです。

これにより、希望通りの窓配置や外観デザインが難しくなる場合があります。

次に、特殊仕様に対応できる設計者や施工者との連携が不可欠です。

防火地域に精通した設計者・施工者であれば、法的要件を守りつつ、デザイン性も考慮した提案が可能です。

逆に、防火指定に不慣れな業者を選ぶと、規制に苦しむだけでなく、工事の進行や品質に不安が残ることもあります。

特に、防火地域や準防火地域では、軒裏、開口部、防火壁など細部にわたる規定が多数あり、一般的な施工方法とは異なる配慮が必要です。

また、購入前にはコスト・設計・工期などの計画を慎重に見越す必要があります。

防火仕様の使用により建築費用は割高になりがちですが、設計の工夫によってコストを抑えることも可能です。

さらに、防火構造の採用により火災保険料が割安になるケースもあり、長期的な費用バランスを見極めて判断することが重要です。

以下に、注意点と対応ポイントを表形式で整理します。

確認項目ポイント理由
設計・デザインの制限窓・開口部・外壁の材料などが法定仕様に制限される法令に則った防火構造が必須で、自由なデザインが難しいため
施工者の選定防火地域の実績がある設計者・施工者を選ぶ専門的な知識と経験に基づく対応で安心して進められるため
総合的な計画建築費・設計・工期を含めて余裕を持った計画を立てる特殊資材や工法のため、コスト増と工程の遅れが生じやすいため
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まとめ

防火地域で戸建てを購入する際は、都市計画上の役割や建築制限など独自のルールを正しく理解することが重要です。

建築費が高くなる傾向にありますが、その分、火災保険料の節約や安心につながる大きなメリットも得られます。

検討初期段階で地域の指定状況を確認し、必要な設計や工事の計画を立てておくことで、後悔のない家づくりが可能となります。

疑問点があれば専門家の意見を積極的に取り入れることで、理想の住まいへの一歩を踏み出しましょう。


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